天国への階段 ―いじめ―
初めてかもしれない。
まりあに会いたくないと思った。
今すぐにでも、この場を立ち去りたいと。
けれど、仲直りしたい、とも、強く思っていた。
だから、足を動かす事が出来ない。
私は、どうしようもない二つの想いに揺られていた。
思わず、また唇をキュッと噛む。
麗子達に何かをされた時に噛むのとは、どこか違った。
いつもは辛さを打ち消すためのものだけれど、今のは、戸惑いでモヤモヤとしている心を、たしなめる為のものだ。