天国への階段 ―いじめ―
「……………まりあは?」
そっと呟いた。
特別知りたかったわけではないけれど、とにかく会話を繋げたかった。
「東原小学校の近くよ」
「へえ…………。一軒家?」
「うん」
「木村さんたちも近くに住んでいるの?」
「そうだよ。
隣がナナ、向かいが悠衣、その隣が愛夕」
「そうなんだ……」
会話をもっといっぱいしたかったけれど、次に繋ぐ言葉が見つからない。
沈黙の時間と比例して、私の心は曇り、何か話題はないかとあたりを見回した。