天国への階段 ―いじめ―
すると、まりあが立ち上がった。
「あたし、行くね」
そう一言いうと、まりあは軽快に階段を降り、早々と去って行った。
あまりにも突然のことに、何が起きたかわからなかった。
まりあの後ろ姿が完全に視界から消えると、どっと不安が押し寄せてきた。
私……まりあに……何か、気に障る事を言った?
何か変なことをした?
沈黙のせいで、私といるのがつまらないと思ったの?
やっぱり、昨日のことを怒っているの……?
「?」ばかりが頭の中をぐるぐると渦巻く。