天国への階段 ―いじめ―
十六日目
◇天国まであと四段
「……まりあ……」
私は、少し躊躇いながらも階段へ行った。
すると、一足先にまりあが来ていた。
「……体、大丈夫なの……?」
「うん。今回はちょっとキツかったけど、無事に生還したよ」
そう言って弱く微笑むまりあは、
たしかに前より元気がなかった。
また少し華奢になった体に入院中の辛さがうかがえる。
……こんなに、弱い体で
必死に生きようとしているまりあに、
死のうとしている私が
”帰ってきてくれて、無事でよかった”
なんて言えない。