天国への階段 ―いじめ―
「てめえに何がわかる!
親の都合で転校三昧だったあたしが、仲よくなる方法も知らずにクラスに馴染めないでいた時……最初に声をかけてくれたのが、麗子なんだよ!
それがどれだけのことだったかてめえにわかんのかよ!
何も知らずにふざけた口きいてんじゃねえ!
うぜえんだよっ。だからてめえはいじめられんだ!」
英子の言葉が胸に刺さった。
血が滲むように…痛い、と思った。
私がちょうどうつむいた時、ガチャ…と、ドアが開いた。
……吉木が入ってきたのだ。
「いま、斉藤の親御さんに連絡したが、仕事の都合でどうしても来れないそうだ。
詳細は伝えておいた。
家でじっくり話し合いなさい」
目を見開いた。