天国への階段 ―いじめ―
五日目



◇天国まであと七十四段



今日も、相島さんはいた。



光の中に、座っている。
私は、影の中で、立っている。



私は今日も、階段を上った。
上った後、しばらくその場に立っていた。
相島さんは特別何か話しかけるわけでもなく、ただぼんやりとどこかを見つめている。



じわじわと何かがこみ上げてきて、すごく泣きたくなって、相島さんにこっちを見てほしいと思った。
なぜだかはわからないけれど、とにかく、こっちを見てほしいと思った。
 


キュッと胸が締め付けられる。
相島さんを見ていると、いつもそうなる。




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