天国への階段 ―いじめ―
悠衣と七瀬が、手を伸ばす。
七瀬に抱き寄せられるように受け止められて、七瀬が後ろに倒れそうになった。
そこを悠衣が押さえて、まりあと七瀬は無事に立ったが、悠衣は後ろに倒れた。
「う……うっ………いたいよー!」
泣き虫だった悠衣は、案の定すぐに泣いた。
頭を打ったみたいだった。
戸惑ったまりあは、どうしたらいいのかわからなかった。
「ゆうちゃん、ごめんね。ごめんね……」
ひたすら、謝るしかなかった。
そんな姿を見た愛夕は、パンパンと手を打った。
「ゆうちゃん、いつまでも泣いてたらダメ!
男の子でしょ?早くあれ、出して」
あれ。
まりあには、何をさしているのかわからない。
そんなまりあを見た愛夕は、「ふふふ」と笑った。