天国への階段 ―いじめ―
「…………ありがとう。
あゆちゃん、ゆうちゃん、ナナちゃん…ありがとう」
小学三年生が火を持つということは、普通なら危険なことだ。
夜遅くに家を抜けだすことも、難しかったはず。
花火を買うお金も、どうしたのか。
少ないお小遣いを集めたのだろうか。
まりあの誕生日に花火を送るということのために、愛夕たちがどれほどの計画を練ったのかと思うと、ただただ涙がこぼれた。
ありがとう。
ただ、まりあは一心にそう思った。