天国への階段 ―いじめ―
……ダメだ。
人のせいにして、自分が変わろうとしない。
そんな言葉が脳裏をよぎる。
けれど、わからない。
自分の何がいけないのかがわからない。
ダメなところや嫌なところは山ほどあるけど、
麗子たちにいじめられる直接の理由がわからない。
何をしたかわからないなんて、
そんなの、変わりようがない―。
どうしようもない自分に苛立つ。
変わりたい。変われない。わからない。
そんな繰り返しを何度も何度もしてきて、私は“天国への階段”という道を選んだのだ。
まりあと話す中で出来た平和で幸せな心が、自己嫌悪で覆われる。
そのことに対しても嫌気がさして、心がまた曇る。