涙は華のように
「あれ? 雷哉、涙華ちゃんと知り合い?」

「知り合いってところじゃないよ、 俺こいつの元彼だもん。」

「マジ? 涙華ちゃん本当?」

私は小さく頷いた。

やだ。 この場から逃げたい。

零蒔さんには知られたくない。

「悪い、 俺こいつ連れてくわ。」

「どうしたの? 急に」

「別に、 じゃあな。」

零蒔さんは2人に別れを言うと私の小さな手を大きな手で包み込んで引いて歩き出した。


もしかしたら 零蒔さんは私が震えていたのに気づいたのかもしれない。


零蒔さんに連れられて
バイクの止めてあるところまで行った。


「零蒔さん ごめんなさい。」

「なんで涙華が謝るんだよ。
 何があったとは聞かない。
 けど つらい時や助けて欲しい時はいつでも俺を呼べ。
 すぐに駆けつけてやる。」
 

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