涙は華のように

「私　零蒔さんのこと好きだった。」

もうどうでもいい
どうにでもなれ

「でも　零蒔さんには緋琉羽ちゃんがいる。
　もう恋で辛い思いはしたくない。
　だから　雷哉さんと付き合ってる。」

零蒔さんは呆然としている。

「手…　離してください。」

すると　離してくれた。

「今までありがとうございました。
　さよなら。」

私はその場から　走って家に帰った。



あの日以来零蒔さんにも亜嗣汰くんにも会っていない。

それが寂しいと思う自分がどこかにいる。

ピアスは捨てることができないから
引き出しの奥に閉まってある。



雷哉さんは前よりも優しく
本当に私のことを想ってくれていた。

けど　雷哉さんといても楽じゃない。
反対に息が詰まる…。



今日は雷哉さんに連れられ街に来ていた。

そこでばったり零蒔さんたちに会った。

ずっと会いたいと思っていたけど
こんな形では会いたくなかった。