詩吟う日に仰ぐ空
灯滅せんとして光を増す
幼い頃 私は独りだった
家の灯りを自分で点けた
鍵を持ち 灯りを点けることが
堪らなく寂しかった
あれから十何年…
今でも自分で灯りを点ける
外から見る暗い家は
今でもちょっと寂しいけど
私が灯りを点けたあと
帰って来る人達が居る
お家を綺麗にして ご飯作って
私はみんなの帰りを待ってる
もうじき それは妹の番になる
そしていつか 誰の番でもなくなる
だから それまで
私はここで灯りを灯して
みんなの帰りを待とう
私がいつか 私の道を歩み始めるまで
温かい灯りに包まれて
落ち着ける笑顔で
『おかえり』を――