澤木先生のサイアクな日曜日
「なんだよオメェ、オレの裸がそんなに見たいか?高いぞ、オレは」
なぜか見知らぬ女子高生に自分を売りつけようとする患者。
「そんなんじゃねぇし!」
「んじゃ何だよ!」
口を一文字に結んで、アユミは澤木をじっと見た。
それから、ぺこりと頭を下げた。
「ありがとうございました」
澤木は、にっこり微笑んだ。
「どういたしまして」
澤木の笑顔に、アユミは安心したように口元を緩める。
「先生、また来てもいい?風邪ひいたときとか」
「・・・殺さないなら」
診察のたびに、いちいち命の心配をしなければならないのは勘弁してほしい。
「殺さねぇし!」
アユミが笑う。
迫力のあるメイクはほとんど落ちていて、本当は笑顔の似合う、可愛らしい顔立ちだと分かった。
「じゃね、先生」
「お大事に」
ドアが静かに閉まった。