澤木先生のサイアクな日曜日
雨を降らせていた雲は去り、濡れた道路に夕日が反射してまぶしい。
通路の水たまりをよけながら、アユミと5人の友達が並んでクリニックを出て行く。
「アユミ、大丈夫?」
「なんなら、ウチらまた担ぐけど」
「パンツ見えてもよければ」
アユミは声を張り上げた。
「いいわけないっしょ!オマエら、チョーサイ・・・」
言いかけて、アユミは澤木の言葉を思い出し立ち止まる。
「大丈夫。あなたはサイアクではありません」
「あなたを心配して、待っていてくれるお友達が、あなたにはいるじゃないですか」
歩いていく友達の後ろ姿。
「・・・オマエら、チョーサイコーだよ!」
アユミの笑顔を、夕日が照らしている。
並んで歩きたくて、アユミは駆け出した。
先生、ホントはね。
「八つ当たりして、あとウザイとか言ってごめんなさい」
って言いたかったんだ。
でも、変なオッサンもいたし、アタシの格好一応ギャルだし。
なんか照れくさくって、言えなくって、ごめんなさい。
分かってるよ、先生。
アタシには、サイコーな友達がいるって。
ありがとね、先生。