S的?遊園地
「おい!」

強い力で肩を掴まれた。

「キャー!」

後ろからいきなり掴まれ、私はさらに驚いた。
もう、押し寄せる恐怖に声を我慢出来ない。

「おい、コラ!」

体を強く揺すられ目を開けると、目の前には平畠さんがいた。

「ひっ、平畠さん!そこ!お化け!」

必死に喋ろうとするが、上手く言葉にならない。
その姿を見た平畠さんは、溜め息をつくと私の頭をガシッと掴んだ。

「よく見てみろ!」

首を無理矢理右に回されると、あのお化けがいた。

「キャー…あ、あれ?」

足もあるし見た事のある顔だった。

「えっと…。」

気まずい空気が流れる。
見た事有るも無いも、メイクこそお化けだがよく見ると社員の松本さんだった。

「こんなに驚いて貰えるなんて、お化け冥利に尽きるわね。」

そういって松本さんは片足を上げておどけて見せた。
私は、安堵の余りその場に力無く座り込んでしまった。
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