S的?遊園地
「流石、仕事が早いわね。」

そう言って頷くと、松本さんが私を見た。

「新しく入った安浦加奈子ちゃん、よね?」

お化けの姿は、メイクだと分かった上で明るい所で見てもなかなかの迫力だ。

「は、はい。」

ちょっと恐怖が蘇ったが、私はぐっと堪えた。

「平畠君、口は悪いけど凄くいい子よ。お客様には紳士的だし、頭良いし。」

昨日の彩の話では有名大学に通っているらしいので、頭は良いのかもしれないが、紳士的と言うのは些か疑問が残る。
納得出来ない私に構わず、松本さんは話を続けた。

「それに、このホラーハウスをプロデュースしたの、平畠君なのよ。」

「えっ!?」

私は耳を疑った。
このホラーハウスを平畠さんがプロデュース?

「仕掛けも自分で作っていじってるし。」

私は松本さんの言葉が信じられず、あいた口が塞がらなかった。
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