S的?遊園地
(どうしよう…私、とんでもない事を…)

「安浦さん、こちらお下げして。」

私のお盆の空になったスープ皿の横に布巾を乗せると軽く腕を押して行動を促される。
平畠さんの手の感触に我に返る。

「はっ、はい!大変、申し訳ありませんでした。」

私はもう一度お客様に深々と頭を下げると、言われるがままにキッチンへ引っ込んだ。

手に持っていたお盆をカウンターにそっと置く。
震えが止まらない。

(私、ミスしたんだ。平畠さんにもスープかけちゃったし…。)

前のファミレスのバイトでも、こんなミスしたことがなかった。

「安浦さん、ちょっと早いけど休憩行っておいで。」

声に振り返ると、私の肩に手を置いた田中さんがいた。
優しく頷いている。

「あの、でも…私。」

震えも止まらないし、そのせいで言葉も上手く出てこない。

「大丈夫、平畠なら何も問題ないよ。後で僕もフォローしておくから。」

そう言うと、優しく私の背中を押しスタッフルームへ続く廊下に送り出された。
私は何か言いたいのに言葉にならず、田中さんの笑顔に頷き返して、ゆっくりと歩き出した。
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