S的？遊園地
「それ以上も何もありません！二人ともただの先輩です。斎藤さんのアレは何も無かったです！それに、右田さんは彩の事気に入っているみたいで、彼氏はいるのかと相談を受けていただけです！」

私は勢いで、一気にしゃべった。
なんだか勘違いをされている事に腹が立ち、平畠さんを睨むように見上げる。

「彩？渡辺の事か？」

平畠さんは表情一つ変えず言う。

「そうです！」

私も、言葉尻を弱めず言った。

「ふっ」と平畠さんが少し笑った。
次の瞬間、片手を私の腕から外し、顎に当てる。

「えっ…？」

何が起こったか考えようとした刹那、平畠さんは私の顎を持ち上げ、唇に優しく口付けた。
私は驚きの余り目を見開く。
それに気付いたのか平畠さんは、唇を少し離し目を薄く開いた。

微かにお酒の匂いがする。

「目、閉じろよ。」

平畠さんは、さっきまでの態度が嘘の様な甘い声で囁いた。
私は、その言葉に従う以外に頭が働かず、素直に目を閉じた。
それが合図かの様に、平畠さんはもう一度口をつける。
後ずさりする私を逃がすまいと大、きな両手で私の顔を包み込んだ。
さっきとは顔の角度を変え、奥深くまで平畠さんを感じる。
口を離したかと思うと、また求められる…息も出来ない程情熱的だ。
私の思考回路は完全に止まってしまった。

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