S的?遊園地
「えっと?」
意外な言葉に、上手く反応出来ない。
平畠さんは、人差し指で眼鏡をクイっと上げる。
「知りたい事があるんじゃないのか?」
私を真っ直ぐに見据える。
確かに知りたい事はあるのだが、何からどう聞けば良いのか分からない。
私も真っ直ぐ平畠さんを見つめたまま、言葉を探していた。
どれ位の沈黙の後、業をにやした平畠さんが、少し苛立った様に口を開いた。
「言いたい事があるなら早く言え。俺も暇な訳じゃないんだが?」
肘を太ももの上に乗せ、手を組んだ平畠さんはそれを顎にあてがった。
これは、ちゃんと話すまで納得してくれそうに無かった。
私は、全部話す決心をした。
「じゃあ、平畠さんのプロフィールを教えて下さい。」
実は、平畠さんの歳も、下の名前さえも知らないのだ。
私の言葉に『はぁ?』と口を開けた平畠さんだったが、真面目な顔に冗談じゃないと思ったのか、眼鏡を上げると気を取り直した様に私に向き直った。
「平畠慎太郎、23歳。6月21日生まれ。AB型。」
まともに答えてくれてちょっと嬉しい。
私は、一つも聞き漏らさないように頭で復唱した。
「大学院で心理学を勉強しているのは本当ですか?」
平畠さんは、眉をひそめた。
気に障る質問だったのだろうか?
「確かに大学院に通っているが、俺の専攻は電子工学だ。」
斎藤さんの言っていた事は外れていた。
(案外、他人の噂ってあてにならないんだな。)
私は、改めてそう思った。
意外な言葉に、上手く反応出来ない。
平畠さんは、人差し指で眼鏡をクイっと上げる。
「知りたい事があるんじゃないのか?」
私を真っ直ぐに見据える。
確かに知りたい事はあるのだが、何からどう聞けば良いのか分からない。
私も真っ直ぐ平畠さんを見つめたまま、言葉を探していた。
どれ位の沈黙の後、業をにやした平畠さんが、少し苛立った様に口を開いた。
「言いたい事があるなら早く言え。俺も暇な訳じゃないんだが?」
肘を太ももの上に乗せ、手を組んだ平畠さんはそれを顎にあてがった。
これは、ちゃんと話すまで納得してくれそうに無かった。
私は、全部話す決心をした。
「じゃあ、平畠さんのプロフィールを教えて下さい。」
実は、平畠さんの歳も、下の名前さえも知らないのだ。
私の言葉に『はぁ?』と口を開けた平畠さんだったが、真面目な顔に冗談じゃないと思ったのか、眼鏡を上げると気を取り直した様に私に向き直った。
「平畠慎太郎、23歳。6月21日生まれ。AB型。」
まともに答えてくれてちょっと嬉しい。
私は、一つも聞き漏らさないように頭で復唱した。
「大学院で心理学を勉強しているのは本当ですか?」
平畠さんは、眉をひそめた。
気に障る質問だったのだろうか?
「確かに大学院に通っているが、俺の専攻は電子工学だ。」
斎藤さんの言っていた事は外れていた。
(案外、他人の噂ってあてにならないんだな。)
私は、改めてそう思った。