S的?遊園地
「ふん。間抜けな顔だな。お前は、本当に働く気があるのか?」

平畠さんは、口を開けたままの私を、鼻で笑いながら続けた。
急いで口をつぐむと、私は視線を平畠さんに向ける。
相変わらずの厳しい視線で返す平畠さんに負けじと、大きな声で答える。

「あります!」

私はそう言うと、平畠さんを睨んだ。

「話を聞いていなかったのは謝ります。でも、そんな言い方しなくても良いじゃないですか。」

マネージャーの話しを良く聞いていなかったのは事実だった。
アルバイト初日で気持ちが浮ついていたのだ。
気付いたら朝礼も終盤だったので、きっと聞き逃した話しもあっただろう。
でも、この平畠さんの態度に、ただ屈する気にはなれなかった。
思わず叫ぶ私を、もう一度鼻で笑うと、平畠さんはゆっくりと口を開いた。

「自らの非を認めたのは良いことだ。」

眼鏡を人差し指で持ち上げると、もう一度厳しい表情を作る。

「だが、働いて金を貰うと言うことが、どういう事か考えろ。」

平畠さんは、腕組みをしながら言った。

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