S的?遊園地
(働いてお金を貰うのがどういうことか?)

何を言わんとしているのか良く分からず、私はその場に立ち尽くした。

「お前の耳は、よっぽど通りが良いようだな。」

私が考えてる間も、平畠さんは言葉を止めない。

「そこに立っているだけなら、猿にでも出来るぞ。…いや、猿の方がまだ可愛げがあるな。」

私は、一瞬言っている意味が分からなかった。
「猿の方が可愛い...」頭の中で平畠さんの言葉が繰り返される。

「さっ、猿!?」

やっと、酷い事を言われていることに気付き、思わず声が出る。
私の言葉にニヤリと意地悪く笑うと、また歩き出した。

「それとも、俺の後をずっとついて来るから、犬の方が良かったか?」

『くくっ』と喉で笑う平畠さんの背中に私は、もう我慢出来ずに叫んだ。

「ついて来いって言ったの平畠さんでしょ!」

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