好きです、お兄ちゃん
まるで赤の他人とでもいうように白を切る蒼哉さんに、私は本当に別人なのかと思ってしまう。
黒い艶のある髪。前髪は長く目に薄くかかっていて、後ろも少し長めだ。左耳には赤い石のピアスが飾られていて、目は切れ長だけど少し大きい。
どっからどう見ても蒼哉さん。
「こらぁ!お前ら何やってんだっ!」
教頭先生が怒鳴りながら走ってきて、みんなキャーキャー言いながら散っていった。私も急いでこの場を離れようと綾と教室まで走っていった。
それにしても、分からない。蒼哉さん、何がしたいんだろ?