好きです、お兄ちゃん
呼び出しとランチ
「沙由、イケメン好きだったっけ?」
昼休みになってから、唐突にそう言ってきた綾。私は目を丸くする。
「え?なんで?」
「だってさ、朝、いきなり群集に突っ込んでったじゃん?」
綾には、私が"坂本"になったことを言っていない。混乱するといけないから、といって、学校では私は"高瀬沙由"のままなのだ。
つまり。私と坂本兄弟との関係は、私たち以外知る由がないってこと。
「あぁ……ちょっとね……」
あはは、と笑って誤魔化す。
綾にはいつかは言わなきゃな…。あの美形×2と義理の兄弟になっちゃいましたって…。
「沙ぁ由ちゃん」