好きです、お兄ちゃん
「ど、どうゆうつもりですか!?」
とりあえず私たちは屋上に来た。運良く誰も見当たらない。
「え~?俺たち兄弟なんだから会いにいっても問題ないっしょ~?」
「そ、そんなこと言ったって……」
朝は他人のフリしたくせに!
「なんだよ?俺たちと一緒にいるとこ見られたら困るっつーの?」
修哉さんが眉間にしわを寄せる。ぅう。修哉さんって恐いから苦手……。
「え……えと……そうじゃなくてですね……」
修哉さんが睨んだまま一歩一歩近づいてきて、それに合わせるように一歩一歩退く。
「何が不満なんだよ?あ?」
「ふ、不満とかじゃ……」
背の高い修哉さんの影が私の体に覆い被さる。視界いっぱいの修哉さんに、またもや涙目の私。
「俺も気になる~。沙由ちゃん、俺ら嫌いなの~?」
ちらと蒼哉さんを見ると、口元は弧を描いているのに細められた目は全然笑っていなかった。
こっちも恐いっ!
「あ…あの……」
「あぁ?」
「ん~?」
すでに恐喝じみている二人に、私は腹を決めた。