好きです、お兄ちゃん



「ふ、二人が格好いいから、私なんかと居たら迷惑だと……」


半分本音、半分嘘。
本当は厄介事に巻き込まれたくない自分がいたりする。それに、


「……はは。ははは」


修哉さんが笑い出す。可笑しくてたまらない、というよりは、嘲笑うように。


「よく分かってんじゃん、パグ」

「ぱっ、パグ!?」

「第一印象」


そういえば昨日も言われた……。

第一印象パグって悲しすぎる……。


「まあまあ、もう話やめて飯食おう?俺腹減った~」


そう言うと蒼哉さんは、フェンスに寄りかかるように腰を下ろした。

まあまあって、あなたも睨んでたじゃないですか……。


「え……私お弁当持ってな……」

「んー?じゃあ俺らが食ってんの見てれば?」


えー!?そんな鞭打ちの刑よりもキツい罰がありますかー!


「なぁんてね。お義母さんから三人分預かってるから」

「な、なんだ……」

「ははっ。なんか沙由ちゃんって見てて飽きないよね~。
イジメたくなっちゃうんだよなぁ…」


蒼哉さんが最後にぼそっと言った言葉に、体が硬直した。

薄々感づいてはいたけど、やっぱり蒼哉さんって。


「えす……」

「あーそうそう、さっき沙由ちゃん俺のこと蒼哉さんって呼んでたけど、気軽にお兄ちゃんて呼んでよ。てか呼べ☆」


蒼哉さんの正体に確証を持った私は、泣く泣く頷いて、三人で昼食をとった。



……だけど。
本当は、二人と関わりたくないのは、私が二人を、「兄弟」として受け入れきれていないから、なんだ。



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