好きです、お兄ちゃん
Ⅱ...ドタバタな生活
サドと三人
「………で?」
にこにこにこにこ。
今の綾はそんな効果音が似合うくらい、不自然に笑顔だ。
「さっきのは何かな?」
「え、えー?なんのことぉー?」
わざとらしく口笛を吹いてみると、綾は口元に描いた弧をぐいーっと大きくした。
恐すぎるっ!
「話すって言ったよね?」
「……」
「後で話すって言ったよね?ね?」
こ……恐ぇええぇええ!!
今の私は修哉さんの言うとおりパグですよ……。友達に泣かされる私って一体……。
「わ、分かりました、話します~!」
「よろしい。で?」
鼻と鼻がくっつくほど近くにあった綾の顔が、すーっと退いていった。
で…でも…驚くよね。綾、びっくりしすぎて屋上ダイブとかしないかな。
私は緊張しつつも、覚悟を決めて小さく口を開けた。
「実はね……」
「うん」
「坂本兄弟と……」
「うん」
「…………兄弟なの」
「…………え?」
綾は、驚いたのか目を丸くした。