好きです、お兄ちゃん
「お母さんが再婚してね、再婚相手の連れ子で……
ごっごめんね言えなくて!たた頼むから屋上から飛び降りないでぇ!」
「誰が飛び降りるのよ誰が」
意外にも綾はそれ以上の驚いた素振りを見せなかった。
「驚かないの?」
「驚いたけどね。そっかあ。イケメン二人とね~」
「なんなら代わろうか」
「イヤ。私イケメン嫌いだから。絶対ナルシスト多いじゃん」
ぺっと唾を吐くように吐き捨てた綾に、私はもう何も言うまいと思った。
…ヴヴヴ…
「あ、メール」
鞄から携帯を取り出して誰からか見ると、
「…………え?」
<お兄ちゃん その1>
登録した覚えのない宛先。
迷惑メールの類かな。
気になって開いてみると、
<校門で待ってるからすぐ来い>
の一文。
え?何、呼び出し?
呼び出しか……。
……………………。
えぇええぇ!?
な、なんで!私なんかした!?やらかした!?全く覚えがないんですけどッッ!
…ヴヴヴ…
またもやメール。
恐る恐る開く。
<お兄ちゃん その2>
<早く来ないとお仕置きだよ~>
私はガクッと肩を落とした。
とことん死亡フラグ。
お仕置きってフクロのことですか。お兄ちゃんその3もいるんですか。