好きです、お兄ちゃん
「遅ぇぞパグ」
キッ、とこちらを睨む仕草。
明るい短めの茶髪に切れ長の目。
……修哉さん…?
その後ろにいた人物も、蒼哉さんであることが分かった。
「ほんとほんと。待ちくたびれたし」
「え…?お兄ちゃんって…」
メールの宛名のお兄ちゃん……あれって、
「驚いた?今朝登録したんだよね~」
多分自分のものであろう携帯をブラブラさせて蒼哉さんが笑った。
今朝、寝ぼけてる私に携帯を渡した蒼哉さんが頭に浮かぶ。
はあ、と肩を落とした。
もしかして綾、この二人だって分かってたのかな?
「それで……なんですか?」
「何って?」
「いや、用とか…」
「ねえよ」
は?
ないなら呼ぶな!
「帰るぞ」
言うが早いか歩き出した修哉さん。
それは、三人でってこと?
三人で帰るために、わざわざ待っててくれたのかな。
「何してんの?置いてくよ」
「は、はいっ」
三人、か。
なんだか、これからもこんな生活が続くのかと思うと、不安だけど、
居心地が良いのかもしれない…。