好きです、お兄ちゃん



「便所は修兄だろ!思いっきし便器面だし」

「お前も同じ顔だろうが。ぐだぐだ言ってないでやれよ」

「うー……」


双子のやり取りって面白い。

この二人を見ててそう思う。反発するときは綺麗に反対の意見で。……まあ、目的が一緒になったときの団結力ったらないですけど。

双子っていうより、兄弟なのだろうか。一人っ子の私には分かりません……。


「えーと、私はご飯作りますね」

「せめてマトモな飯作れよ」

「場合によっては俺 レトルトで良いから~」


どんだけ信用ないんですか。地味に傷ついちゃうよ。

「じゃあ始めるか」という修哉さんの言葉を合図に、みんな四方に散った。私はキッチンに行き、冷蔵庫の中身をチェック。


「……キャベツ、豚バラ。キュウリにトマトに……、野菜いためとサラダで良いよねっ」


我ながら初料理御披露目が野菜いためって地味だなとは思いつつも、手の込んだものを作るのも材料を買いに行くのも面倒くさいと判断した。


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