好きです、お兄ちゃん



もうやだこの人。早く出てってほしい。
そんな私の気持ちが分かったように、蒼哉さんは本題に入った。


「それでさ、これ結構重要な話なんだけど」

「はい?」

「修兄ってキャベツ嫌いなんだよね」


すごく、本当にものすごくにんまりとした笑顔で蒼哉さんはリビングを去っていく。幻覚かな、スキップしてる。

……え、キャベツメインディッシュ……!

急いで冷蔵庫を漁る。きゅうり、にんじん、レタス、ジャガイモ……

……レタス……?
レタスってかなりキャベツに近くない?

これだー!!!



「……なんだこれは」

「野菜炒めミラノ風です☆」

「ちょっとこいつ吊していいか」

「俺は全然良いよ~」

「蒼哉さぁあん!!(泣)」

「『そうや』?」

「あ…お兄ちゃん…さん…」


言わずもがな野菜炒めは不好評で、私は小一時間修哉さんにお説教を頂いた。



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