好きです、お兄ちゃん
「……俺、腹減った」
床を見つめていたら、聞こえた声。
修哉さんだ。
驚いて顔を上げる。
「え…?」
「修兄?」
「駅前のピザ屋、リニューアルしたんだって?」
すると蒼哉さんがなるほど、と言うように頷き、
「ピザかぁ、食べたくなってきた~」
「じゃ、じゃあ食べに行きますか…?」
「パグの奢りでな」
「えぇー!?」
「あ?なんか文句あんの?」
「全然ありませんどうぞ私の財布をお持ちくださいませ!」
深読みさせてください。
罪滅ぼし…させてくれたのかな?
ぐだぐだ悩んでる私がウザかったのかな。
修哉さん……こう見えて、実は優しい一面もあるのかも……?
「あの、ありがとうございます、修哉さん」
「あ?」
ギロリとこちらを見下す修哉さん。
えぇ、なんで睨まれるの!?
「『修哉さん』…?」
「へ?」
「『お兄ちゃん』だろうが」
え……
えぇー!!
ふ…双子めがー!
修哉さんと闘えるはずもない私は、その日から二人をまるでブラコンのように「お兄ちゃん(*・ω・*)テヘッ」と呼ばなければならなくなったのだった。(テヘッは言わない。)