好きです、お兄ちゃん

迷子とふれあい




「しゅ…お兄ちゃーん!そ…お兄ちゃーん!
何処ですかー!!」


ピンチです。


私は今動物園にいる。え、悲しい高校生が動物に慰めてもらいに来たのかって?私は悲しくなんかない!

じゃ、なくて!私はもちろん一人で来たわけじゃあない。例の如く双子と一緒だ。

お母さん達が旅行二日目を楽しんでいる中、昨日のことで疲れ果てた私の体を叩き起こしたのは蒼哉さんで、低血圧に優しくない大きな声で「動物園行くよー!」と。

なんでも今日は創立記念日で誰でも普段の半額以下の値段で入れるのだとか。

無理やり身支度をさせられ、バスに押し込まれ、なんとか動物園に着いたは良いものの、

どういうわけか迷子になってしまった。



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