好きです、お兄ちゃん
「新しいペットの間違いだろ?子犬にしか見えねえよ」
私の顔を覗き込みながら、口角を吊り上げて吐き捨てた。
こ……ここ子犬?
それは良い意味で?
「なんか、パグみてえ」
……悪い意味ですねすいません。
パグは可愛いけど、ほめ言葉に使う人見たことないし!
「またまた~。本当は嬉しいんでしょ?」
「誰が」
……あの。
言い合うのは勝手だけど、
あなた方絶対身長180cmはありますよね?
恐い。巨人で顔がおんなじ方々に挟み込まれたこの状況。
てか恐怖というより切ない。
ペットと言われて放っておかれてる私って……。
「こら、沙由ちゃんが怖がるだろ。早く食事を始めようじゃないか」
お義父さまぁあぁああ!!
神様に見える。お母さん良い人と結婚してくれてありがとう!
「だってさ。ほら、沙由ちゃん席着こう?」
肩に手を置いたままの蒼哉さんが、そのまま肩を押して私を席に誘導した。
なんかあやされてるみたいだ……。
その後もお二方に緊張しながら、なんとか食事を終えたのだった。