好きです、お兄ちゃん
朝と学校
よく寝付けなかった。
いきなり兄弟ができたと言われて、しかも双子で、しかもイケてるメンずの方々で。私の心臓は初日から崩壊寸前だ。
「…ん……」
目を開けると、見慣れない白い天井が視界に広がった。
……そうだ。私は昨日の顔合わせを終えた後、新しい家に移住したんだ。
ぽーっとする頭で、携帯を探そうとテーブルの方に手を伸ばす。
「はい、携帯」
「ありがとうございます……」
携帯を確認するとふわ、と欠伸をした。窓から差し込む光を見る限り、どうやらお日頃も宜しいらしい。
「早く支度しないと遅刻しちゃうよ?」
「はいは………
……………ぎゃあ!」
顔を上げると、何故かテーブルにちゃっかり座っている美形さん。
「えっと……」
「蒼哉だよ。黒髪は蒼哉。覚えてね♪」
ああ。そういえば昨日の食事の席で紹介されたお二方はまるっきり同じというわけではなく、髪の色と髪型が多少違っていた気がする。
……で、
「なんで蒼哉さんがここに?」
ここって私の部屋だよね?何故私の部屋で蒼哉さんが優雅に紅茶なんか嗜んでいらっしゃるんだろう。