19の夏~私の愛した殺人鬼~

「えっと、まずは自己紹介ね」


 紗耶香がご丁寧にジュースとスナック菓子を出して来たので、雰囲気はまるで遊びにきたお友達状態。


 しかも自己紹介と来た。


「私の名前は飯田紗耶香です」


 にっこりと、誰もを魅了する微笑みを見せて挨拶をする。


 けれど、そんな笑顔でクラクラする人間はここには誰一人としていない。


「新田幸也」


「ネコ」


 2人は適当にそれだけ言って、出されたジュースを一口飲んだ。


 それはネコには甘すぎたようで、一瞬顔をしかめた。


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