19の夏~私の愛した殺人鬼~

 ネコは我関せずと、眩しそうに目を細めながら青空を見上げている。


調子の悪い時だけ知らん顔か!


 ネコの猫らしい性格に心の中で毒づきながら、幸也は小さなため息を吐き出した。


 その場にしゃがみこみ、紗耶香の背中を叩く。


 紗耶香は鼻水をすすり上げながら、なんとか顔を上げて幸也を見た。


「わかったよ。そこまで言うなら一緒に来い」


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