19の夏~私の愛した殺人鬼~

☆☆☆

 蒸し暑いプレハブ小屋の中、冬我は甘いコーヒーに舌鼓を打っていた。


 今日は朝から出かけていたのだが、妙に気分がよさそうに表情を緩ませている。


 鼻の下は妙に伸びていて、ゲジゲジの眉毛はハの字に下がり、口元はヘニャヘニャと開けっ放し。


「気持ち悪いんだよ」


 と、突然聞こえてきたネコの声に、ハッと我に返り顔を引き締める。


 気付くと、いつの間にか目の前にネコがいる。

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