19の夏~私の愛した殺人鬼~


 その後ろには前にここに来た青年と、写真でしか見たとこのない少女の姿。


 冬我は慌てて立ち上がり、

「帰ったなら一言そう言いやがれ!」

 と、真っ先にネコに怒鳴り散らす。


 緩んだ顔を見られてしまって恥ずかしいのだ。


「言ったけどおっさんが気づかなかっただけだ」


 冷たく言い返すと、冬我が座っていたベッドにドカッと腰をかける。


 ネコに促されて、幸也と紗耶香も適当な場所へ腰を下ろした。


「なんだなんだ、合コンか?」


 若者ばかりが集まっている見慣れぬこの光景に、冬我がネコをつつく。

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