19の夏~私の愛した殺人鬼~

 もちろん、冗談で言っているのだが、ネコは、

「これが合コンに見えるなんて相当なバカだな」

 と、表情ひとつ変えずに言い返した。


「わかってらぁ、事件のことだろ、事件の!」


 ネコにからかわれているだけなのに、ついムキになってしまうのは冬我の弱点
だ。


「あの……」


 わけもわからずこの場所まで連れてこられた紗耶香が、おそるおそる二人の会話に割って入ってきた。

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