19の夏~私の愛した殺人鬼~
「なんだ?」
ネコが意外にもすぐに返事をしてくれて、ホッとしたように口を開いた。
「ここって、なんなんですか?」
「事務所だけど」
「事務所……?」
適当な説明しかしないネコに、幸也がわかりやすく説明をしてやることにした。
「ネコの能力で仕事をしてるんだよ。ここは幽霊に関する探偵事務所ってこと」
「探偵事務所……。そんなものがあったんですね……」
物珍しそうに何度か頷いたあと、紗耶香は何かに気付いたように、
「あっ!」
と、声を上げた。