19の夏~私の愛した殺人鬼~
「霊安室で言っていたことは本当だったのね」
『事件事態はもちろん父親が動きます。俺は事件の見えない部分を頼まれたんですよ』
幸也のその言葉の意味も、ここになってようやく理解できた。
しかし、まだわからないことはある。
「どうしてお姉ちゃんが殺される前に、うちの専門学校へ来たの?」
その言葉に幸也は、
「専門学校……?」
と、首を傾げる。
「ほら、私の髪があなたのボタンにからまって……。
もしかして、忘れてたの?」