19の夏~私の愛した殺人鬼~
「そうか。
もしメールが送られてきたとしても、一人では開くなよ。
どんな細工がしかけてあるかわからないからな」
念には念を。
新田は藤堂にそう言い聞かせた。
オルフェウスの文章を得るため、またオルフェウスに近づくために新田はサークルの会員登録をしたのだ。
《セバス》というハンドルネームを使い、会社のパソコンから勝手に登録。
誰かに知られれば文句を言われそうだが、家のパソコンで登録をして幸也に知られたら、また問題だ。