19の夏~私の愛した殺人鬼~
第7章
☆☆☆
冬我の話を聞いている内に山道は下り、目の前に広い民家が広がっていた。
「……ついた」
沙耶香がそう呟き、ようやく幸也の手を離した。
冬我はネコとの出会いをまだ真剣に話していたが、辺りの景色を見ると自然と静かになった。
「幽霊の携帯電話。その噂の発祥の地だ」
一番前に立って歩いていたネコが振り返り、そう言った。