19の夏~私の愛した殺人鬼~
☆☆☆
町について、30分が経過した。
トロトロと歩きながら目に入るのは、田んぼと山と川。時々、築三桁は行きそうな古い家。
それも、人が暮らしているとは思えない荒れようだ。
最後尾をついて歩きながら、沙耶香はポケットに手をつっこんだ。
「……あれ?」
途端に歩みを止めて眉をよせる。
その声に気付いた三人が同時に立ち止まり、振り向いた。
「どうした?」
幸也が聞く。
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