19の夏~私の愛した殺人鬼~
「つまり、その霊たちとコンタクトを取れば噂の根っこにいきつくってワケだ」
冬我がそうつけたして言いながら、その場から2、3歩後ずさった。
ネコはニッと不器用な笑みを見せて、
「お前たちも離れてたほうがいいぞ」
と言った。
わけがわからないまま、冬我に首根っこを掴まれてネコから引き離される沙耶香と幸也。
ズルズルと引きずられるようにして2メートルほど下がった後、不意にネコが左手首をギュッと掴み、眉間に深いシワを寄せた。
まるで、苦痛や痛みに耐えているかのような表情。
「ちょっと……大丈夫なの?」