19の夏~私の愛した殺人鬼~
☆☆☆
一方その頃、新田たちは結局なんの情報も得られないままに警察署までまい戻ってきていた。
藤堂は、食べようとしていた牛丼がすでに冷めきっていたが、それをレンジで温めなおし事も無げに口にしていた。
くわえタバコでその様子を見ていた新田は、軽く苦笑する。
食べ方がまるで赤ん坊だ。
よほど腹が減っていたのかもしれないが、口に入っている米より零れ落ちる米の量の方が多い。
「もう引っ張り出したりしないから、もっとゆっくり食え」