19の夏~私の愛した殺人鬼~
「大人の男が三人もいて、爽香を歩かせたのか?」
「ちょっと、また嫌味みたいに言わないでよ。私が無理矢理ついて来たのよ。
それに、車はあったけど歩いて越えたほうが早いから歩いたの。冬我さんたちは悪くない」
「沙耶香、君は女だぞ。女がそんなことしちゃいけない」
「今度は男女差別? やめてよ、母親みたいなお説教なんて」
「差別じゃない。君は特別なんだよ」
「特別? なにが?」
「それはだから……その……」
そこまで言い、口ごもる。