19の夏~私の愛した殺人鬼~

「当たり前でしょ!? 大事なところを邪魔されたんだから」


 頭に血が上り、つい勘違いされそうな言葉を口走ってしまう。


 案の定、栗田はチラリと冷めた視線を沙耶香に送り、無言になってしまった。


「そう言う意味じゃないわよ」


「じゃぁどういう意味だよ」


「大事なところっているのは……だから……」


 言いかけて、口ごもる。


 昌代の事件について調べている、なんて言ったらまた何を言われるかわからない。
ここは黙っておいた方がいいかもしれない。
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