19の夏~私の愛した殺人鬼~
今日はそれ以上の進展を望んでいたのだが、まるでダメだった。
今回の事件のせいで店は今一時的に閉まっていて、詳しい事情を聞けるような人物もいなかった。
「コンビニで傘買ってこい」
ようやく藤堂の胸倉から手を離し、ため息まじりに新田がそう言いつけた。
藤堂はまるでその場から逃げるように雨の中を走り出した。
その時だった。
見慣れない白い車が止まった。
怪訝そうな表情をする新田。