19の夏~私の愛した殺人鬼~
「捜査中?」
そう言いながら運転席から顔を除かせたのは、幸也だった。
助手席と後部座席には見慣れない男たちがいる。
「何をやってるんだ?」
「こっちも捜査だよ。誰かさんに飯田昌代の件を頼まれたから」
と、嫌味を言いながら車を下り、新田の横に立った。
傍から見ると親子には見えないが、キツイ目元がよく似ていた。
「『携帯電話』のことか。何かつかめそうなのか?」
「あぁ。
手伝ってくれる人間がいるから、非現実的な話が現実と繋がりそうだよ」
「ほほう?」